固い債務整理 借金返済|議事録・本件決裁書その他の甲号証の疑問点について

借金返済の経緯と債務整理であるロムが収納されているCPUボックスに著作権を明示するシ ール及び日付を明記したシールを貼付していたとして,昭和61年1月 撮影という説明を付して,昭和61年1月20日の日付が記載された日 付シール(以下「日付シール」という。)


記録写真の数が多いので甲73は誤って提出し たものであると説明し,同様の写真である甲198を提出し,甲198 は数多い記録写真の中から昭和61年1月に撮影された真正なる写真を 発見したものであると説明している。
ところが,甲198に写っているICチップには,「JAPAN 8 44202 M5L8251AP−5」との記載がある。
そして,証拠 (乙23)によれば,その記号のうち,「844202」は,製造ロッ ト番号を示し,昭和63年の第44週(10月24日ないし30日)に パッケージング製造を行ったものであることが認められ,上記事実によ れば,甲198は,昭和61年1月に撮影されたものではなく,昭和6 3年の第44週以降に撮影されたものと認められる。
また,甲198に写っている別のICチップには,「JAPAN 8 4410A M5L8255AP−5」との記載がある。
そして,証拠 (乙20)によれば,その記号のうち,「84410A」は,製造ロッ ト番号を示し,昭和63年の第44週(10月24日ないし30日)に パッケージング製造を行ったものであることが認められ,上記事実によ れば,甲198は,昭和61年1月に撮影されたものではなく,昭和6 3年の第44週以降に撮影されたものと認められる。
c この点に関し,原告は,甲237の1は,1986年(昭和61年) 10月制作の湯浅通信機会社案内であるところ,そこに写っているIC チップには「84160E」の表記があり,最初の一桁が西暦年号の末 尾を意味するとすれば,それも1988年製造となる,また,甲238 の3は,1984年の雑誌であるところ,そこに写っているICチップ には「834000」の表記があり,最初の一桁が西暦年号の末尾を意 味するとすれば,それも1988年製造となるから,乙20の記載は信 用できないと主張する。
しかし,乙20,23は,甲198の被写体たるICチップを製造し たメーカーの事業を承継した会社が,当該ICチップの情報管理を現在 も行っているという立場でした回答であり,これを誤りとする根拠は見 当たらない。
他方,甲237の1の写真は,シール貼付の状態からして 商品ではなく広告写真用の見本のようにも思われるし,甲238の3の 写真は,写真の状態からみて広告写真用の見本の可能性があり,例えば 「834000」の意味も説明できない。
また,甲237の1及び23 8の3の写真のチップは,それぞれ「M5L2732K 84160 E」「834000 M5M23128−001P」と記載され,その 数字の桁数やアルファベットの種類・配列の位置等から,甲198の上 記の2つのチップとは異なる種類のチップのように見えるところ,甲1 98に写っている同じメーカーの他のチップにはロット番号の始めが 「5」で始まるものや5桁がすべて数字ではなくアルファベットが混じ ったものもあるので,異なる種類のチップの場合は別の表示方法をして いる可能性も否定できない。
したがって,甲237の1及び甲238の 3は,上記認定を覆すに足りるものではない。
(イ) 被告物流が保管する予備ロムの状態(著作権シールについて) 証拠(丙12,17ないし20)によれば,被告物流が保管する本件プ ログラムの予備ロムでは,平成2年9月ころ以後に交換されたバージョン 5のものには,著作権シールがあるものとないものが混在するが,それ以 前に納入されたバージョン4のものには著作権シールは存在しないことが 認められる。
この点に関し,甲126には,平成10年の原告からの申し入れで「初 期納入時に・・・ロムに注意シールを貼付して納入しておりましたが・・ ・注意シールが完全に除去さ;ておりますが」との記載がある。
しかし, 丙20の〈例−1〉ないし〈例−3〉を対照すると,「TC−4」(バー ジョン4の意味),「TC−5」(バージョン5の意味)の各記載は,著 作権シールのあるものはその上に,ないものは別のシールの上に記載され ているから,著作権シールの上に記載されている場合は著作権シールが除 去されたら「TC−4」「TC−5」の記載もなくなると思われるところ, 著作権シールのない〈例−1〉,〈例−2〉では別のシールの上に「TC −4」「TC−5」の記載があることから,著作権シールが除去されたも のとは認められず,もともと「TC−4」「TC−5」と記載される以前 から貼付されていなかったもののように思われるところである。
また,甲5の本件装置に関するパンフレットに掲載されているCPU基 盤の写真では,ロムに貼付されたシールは,丙20の〈例−1〉ないし 〈例−3〉の各写真と比較すると,その大きさないし形状から,著作権シ ールではなく,その他のシールであることがうかがわれるところ,同パン フレットの後ろのページには「川鉄電設株式会社」の名称の記載があり, JFE電制が上記の社名に商号変更したのは昭和62年1月1日であるこ とから,同日よりある程度以前(前記パンフレットの写真が撮影された時 点)の段階では,本件装置のCPU基盤のロムには著作権シール以外のシ ールが貼付されていたもののように思われる。

債務(返済)内容

控訴人に対し,期限前返済の際には相当高額な損害金の支払義務が生ずる旨を説明する義務があったと主張する。
しかしながら,控訴人は,本件契約上,9年半の間,年3.855%の固定金利を支払うこと及び期限前返済を行わないことを約しており,その債務(返済)内容が固定化されているのであるから,収入の変動や金利動向如何といった自己の都合によりその変更を請求する権利は有しないものであって(逆に,被控訴人の側も,控訴人に対し,収益の変動や金利動向如何といった自己の都合によりその変更を請求することはできない。),ただ,被控訴人が承諾する場合に限り,期限前返済が許されるにすぎないものである。
そうすると,前記のとおり,被控訴人が,期限前返済が禁止されていること,期限前返済禁止が解除されるためには被控訴人の承諾を要すること,その場合でも被控訴人所定の方法によって算出される損害金は負担してもらうことが承諾の条件となることを説明している以上は,例えば被控訴人担当者において本件契約までの間に期限前返済禁止文言とは裏腹に低額の手数料のみで広く期限前返済に応ずるような挙動を示した等の特段の事情がある場合を除き,控訴人が本件契約によって拘束される重要な内容については,説明が尽くされており,これ以上の説明義務は存しないというべきである。
本件において,上記特段の事情を示す証拠はなく,むしろ,証拠(乙6,原審証人B)によれば,本件契約までの間に控訴人担当者から期限前返済はできない旨繰り返し説明されたものと認められる。
したがって,控訴人の上記主張を採用することはできず,債務不履行責任又は不法行為責任に基づく控訴人の請求も理由がない。


(ウ) 甲198の日付シールの位置
証拠(丙126,168,169,証人P9の証言)によれば,本件装 置のCPU基盤(本件プログラムのロムも装着されている)には,湯浅通 信機からの出荷前に検査合格証を左上部分に貼ることとなっていたこと, 現在被告物流が予備品として保管している本件装置のCPU基盤には,左 上部分(甲198の日付シールと同じ位置)に湯浅通信機が貼付した検査 合格証(「OK」シール)があり,甲198に写っている日付シールが貼 付された形跡はみられないことが認められる。
他方,甲198の同位置及 びその周辺には,上記検査合格証は貼付されていない。
なお,甲5の本件 装置に関するパンフレットに掲載されたCPU基盤の写真には,左上の位 置に「OK」シールが貼付されていることが認められる。
上記事実からは,甲198の写真が,真実被告ら側に納品された(湯浅 通信機から出荷された)CPU基盤の写真であるかどうかという疑問すら 生じる(原告代表者は,「OK」シールはCPUボックスの外側に貼付さ れることもあったと述べるが(原告代表者の供述・尋問調書44,45ペ ージ),多数のCPUボックスを納入する上で,シールの貼付の有無の確 認を容易に機械的に行うには,常に同じ場所に貼付するのが合理的であり, CPUボックスの外側は使用環境が劣悪のためシールが剥離ないし色あせ てしまう可能性も高く,CPU基盤の定位置に貼付していたというP9専 務の証言に照らしても原告代表者の供述は採用できない。)。
(エ) 甲73についての原告の説明
甲73の写真は,原告代表者の陳述書(甲199)によれば平成3年以 降撮影されたものであるが,その撮影の際に,昭和「61年1月20日」 というシールをそのまま撮影し,真実の撮影日付を記録しないというのも, 疑問であり(それでは,自分でも真実の撮影年月日が分からなくなってし まう。),甲73の写真の撮影目的についても,同写真は昭和61年1月 に撮影されたものであるとみせようとしたのではないかという疑問も生じ る。
また,原告代表者は,甲73の写真を昭和61年1月撮影の写真と取り 違えたことに関し,その陳述書(甲199)で,「数多い記録写真の中か ら・・・発見するに至った」と述べる一方で,その尋問においては,現在 残っている写真について,2枚以外には僅かしか残っていないのではない かと思う旨供述している(原告代表者の供述・尋問調書45,46ペー ジ)。
僅かしか残っていないものをどうして取り違えたのか,また,どの ようにして真正な撮影年月日を確認したのかという疑問が残るところであ る(なお,原告代表者は,上記の写真につきネガも残っていないと述べて いる。
原告代表者の供述・尋問調書46,47ページ)。
(オ) 著作権・日付シールと他の書証との関係
前認定のとおり,原告が著作権シールを貼り付けた証拠とする甲198 は,昭和63年以降に,昭和「61年1月20日」という日付シールを貼 り付けて撮影したもののように思われること,原告が当初提出していた甲 73の写真の撮影にも疑問があること,被告物流が保管する本件プログラ ムのバージョン4のロム及びバージョン5のロムの一部には著作権シール が貼付されていないことに照らし,本当に本件装置のCPUボックス内の ロムに著作権シールが昭和61年当時貼り付けられていたのか疑問である。
ところで,甲63(昭和61年2月14日の議事録)には,被告物流側 が「ロムに『著作権法によりソフトの無断使用及びコピーを禁じます』と 言う平井電機の社名が入ったシールが張りつけてあるが,以前より話のあ った著作権の件でそうしてあるのか!」と発言した記載がある。
しかし, 甲73も甲198も,昭和61年1月当時に撮影されたものではないとす るならば,その写真は何か別の目的のために意図的に撮影されたものでは ないかという疑念が生じ,著作権シール・日付シールが昭和61年1月当 時貼付されていたことに疑問が生じるのみならず,ひいては甲63の上記 記載内容についても,本当に被告物流側がそのような発言をして,その旨 が記載された議事録が被告物流側の確認を受けたものであるかどうかにつ き疑問が持たれるところである。
イ議事録や見積書を作成したワープロについて (ア) 原告は,本件議事録を作成した当時に使用していたワープロの機種に ついて,当初リコー製リポート350Gであるとしていた(原告の平成1 8年4月13日付け準備書面(6)の10ページ)。


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これ
原告
記録

著作権シール
平井電機(株)との記載のある シール(以下「著作権シール」という。)がCPUボックスのロム部分 に貼付されている状態が写っている写真(甲73)を提出した。 ところが,その後,被告ら側から,甲73に写っている水晶発振器は, その表示からして平成3年の第9週以降に製造されたものであるから, 甲73はそれ以後の写真であるとの指摘がされた。